産後がはじまった

こどもがうまれたらそれはもう産後

4回堕ろしても妊娠する圧倒的女子力

 

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

 

 妊娠してから、好いた腫れたの恋愛小説にあまり興味が持てなくなってきたので、事件ノンフィクション系をよく読んでいる。本書は、天才的な虚言癖の看護婦・吉田純子が、看護学校の同級生であった中年女性3人を言葉巧みに操り、彼女たちの元夫など2件の保険金殺人を行った事件を描いたもの。

タイトルの通り、殺人を行った中年女性4人組は看護婦(資格のみ所有の人も含む)なのだが、看護婦ならではの医療知識を駆使して冷酷に殺人を行う一方で、看護婦らしからぬトンデモなことも言いまくって/しまくっているのにびっくり。

例えば主犯格の純子は性欲がむちゃくちゃ強く、幼なじみの美由紀とレズビアン関係にあったのだが、「私、美由紀の子どもをやどしたみたい」「女同士で妊娠した例も、過去に二、三件あるらしいよ」という純子のセリフを、美由紀はなんと信じたっぽいのだ! 裁判で「看護婦なのにそんなこと信じるなんておかしいでしょ」と問いつめられた美由紀は、「仕事で生命の不思議さを体験していますから、つい信じ込んでしまった」と答えている。おいおい…。これは美由紀が洗脳状態にあったためかと思うが、正当な看護教育を受けたはずなのにスピリチュアルにかぶれる看護婦や助産婦がなぜこれほど多いのかの一つの答えになるのではと感じた。*1

そしてこの看護婦4人組、時代背景もあるのか(ほとんどが1960年生まれ)、子どもをおろしまくっている。特に上記の美由紀は4人のうち唯一結婚経験がないのだが、不倫ばかりで、男運が全然ないのだ。まず病院内の既婚男性看護士と泥沼不倫。よせばいいのに妊娠と堕胎を繰り返し、4回目の妊娠をしてしまった際には、なんとその男が「いままで何度も先生の介助しとるから、僕がおろしちゃるけん」とかなんとか言って、自宅アパートで堕胎手術を行っているのだ…! しかも素人手術は失敗、一時は産む決断をしたらしいが、結局死産になったらしい。そのあとも喫茶店のマスター(もちろん既婚)の子どもを妊娠した末に堕胎しており、「堕胎したら子どもが出来なくなる」なんて大ウソなのだなあと感じ入った。

読後感は最悪ながら超面白く、事件ノンフィクションの白眉!

*1:古い話になるが、連続テレビ小説ちゅらさん」のラストで、看護婦であるはずの国仲涼子に腫瘍が見つかったとき、国仲涼子は病院での手術治療を拒否して、沖縄に帰ってしまうんですよね。まあそこはドラマですので、沖縄の豊かな自然に包まれて病気も治り、よかった!となるわけですが、正当な看護教育を受けておきながら何故…と、子どもながらに疑問だった